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HACCP(ハサップ)とは何ですか?
HACCPはHazard Analysis and Critical Control Pointの略称です。
「食品衛生の一般原則」において、“食品の安全性に係る重要な危害要因を特定、評価し、管理するシステム”と定義されています。日本語では「危害要因分析重要管理点」と訳されています。
重要なハザード(健康被害につながる危害要因)を管理し食品安全を守るための仕組みとしてHACCPは極めて重要です。食品国際規格コーデックスのHACCP7原則に沿った衛生管理計画作成と記録付けを行い、重要なハザードがきちんと管理されていることを第三者に「見える化」することが、HACCP制度化のゴールになります。
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HACCPは今までの管理手法と何が大きく違いますか?
従来の管理方法では、もっぱら、最終製品の抜き取り検査(細菌検査等)によって製品の安全性を判定していましたが、HACCPでは、原材料から製品の消費にいたる過程において、発生する可能性のある危害要因とそれらを管理・制御すべき工程を決め、危害要因を食品中から排除/減少/死滅させるために必要な管理手順を決めておきその通りに実施できているか監視し記録していきます。HACCPによる管理は、工程上で安全性を確保できる明確な仕組みにより安全性が担保されるようになります。
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危害要因分析とはどのようなものですか?
危害要因分析とは、原材料及び製造工程、流通から消費段階までの各工程における潜在的な危害要因について、危害の程度等を含めて明らかにし、危害要因に対する制御方法を検討、分析し明らかにする事をいいます。
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HACCPチームを編成する目的、役割は何ですか?
HACCPチームはHACCPプラン作成やシステム推進のために編成します。
HACCPチームが一般衛生管理プログラムやHACCPプランの作成、また作成したプログラムやプラン推進の中心的役割を担います。具体的には、作業者に対する一般的衛生管理プログラムやHACCPプランの教育訓練検証の実施、一般的衛生管理プログラムやHACCPプランの見直し、必要に応じて修正等を行っていきます。
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HACCPを導入することによって、どんなメリットが得られますか?
HACCPを導入することによって得られるメリットには次のようなことがあります。
・工程管理記録を整備・保管することによって、品質・衛生管理結果の適正性を後で確認することが出来ること。
・記録を残すことによって、第三者に対しても客観的なデータを示して製品の安全性・高品質性を示すことが出来る、また、このことは製造物責任法(PL法)検証においても役立つ。
・工場のあらゆる部門の担当者(品質管理、製造担当者のみならず、仕入れ、販売担当者
等も含めて)からなるHACCPチームを編成するので、全社的な情報共有及び相互の意思疎通が図られ、チームワークが育成される。
・管理部門のみでなく、現場の作業員の協力を得ることによって、品質不良や事故の発生を未然に防ぐことになる。そのような活動は、生産性の向上が期待できる。
・HACCPシステムは国際標準であり、本システムを導入することによって、みずからの
工場の品質・衛生管理について世界的な品質衛生レベルでの同等性が確保でき、自社の取り組みを周知させることにより信頼性が向上し、マーケット・アクセスの拡大を図ることに繋がる。
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GAP(ギャップ)認証制度とは何ですか?
フードチェーンの一次生産の農畜産物でも、食品安全のためGAP(ギャップ)認証制度が作られています。食品安全以外にも、環境保全、労働安全、人権の尊重、アニマルウェルフェアへの配慮(家畜のストレスを押さえた飼育管理法)を考慮した認証制度です。
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食品表示法とは何ですか?
食品表示においても、「食の安全性の確保」と「消費者の選択の機会の確保」の観点から、2015年4月に食品表示法が施行され、その2年後の2017年9月に新・原料原産地表示が施行されました。5年間の猶予期間を経て、それぞれの制度が2020年4月、2022年4月から本格施行されます。さらに消費者信頼確保のため、遺伝子組み換え表示改正、アレルゲン表示の見直し(クルミやアーモンド)、食品添加物の検討と、今後次々に変わっていく予定です。