FMSCでは、企業様への集合研修も承っております。本日は沼博之講師より、2020年7月 8月に開催した(株)良品計画様での研修のご報告です。

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の沼博之です。

7月から8月にかけて、株式会社良品計画様のワークショップを開催しました。新型コロナ感染防止のため開催は少人数制とし、参加者を数回に分けて行いました。
今回は、食品衛生に直接関わっている部署の方だけでなく、間接的に関わっている方も参加していただき、ワークショップを通してHACCP計画作成を体験していただきました。

講義のまず初めに、HACCPロジカルでかつシステマチックであることを説明させていただき、次に、健康被害を引き起こす危害要因のすべての入口は、食材・施設(機械、器具を含む)・人3つしかないことをお伝えしました。

1日目は、危害要因分析のワークショップ。2つの演習課題にチームに分かれて取り組んでいただきましたが、それぞれの製造工程ごとに思いつく全ての潜在的危害要因をリストアップする作業は、皆さん大変悩みながら真剣に作成されていました。
この危害要因分析は、HACCP計画の肝になります。ここでリストアップされなかった危害要因は、気付かないまま健康被害につながるリスクになります。
また危害要因をリストアップしていても、その対策が的外れのものであれば、そのリスクを押さえることができません。

2日目は、前日の危害要因分析で、リスクを押さえるために必ずコントロールすべきと決めた必須管理点に対して、具体的にそのコントロールの中身を決めるワークショップです。
ここで大事なポイントは、前文でも述べましたロジカルです。良品計画様の皆さんは、しっかりとロジカルな計画書を作成していただきました。
特にアレルゲン表示での目視確認において、「ラベルの貼り間違い」という今まで気付いていなかった許容限界をあげていただき、私自身大変学ばせていただきました。

2日間のワークショップの終了前に、参加者の皆さんにはアンケートを書いてもらっています。今回は、「もう1度このワークショップに参加したい」と書かれた方がけっこういらっしゃって、その意欲に頭が下がる思いです。

HACCP知識をスキルアップさせる方法には、3つあると思います。
1.危害要因(化学的・物理的・特に生物的)をしっかりと知ること
2.他社の食中毒事例、回収案件(特にユニークな案件には要注意)の定期的な情報収集
3.自ら指導または作成すること(アウトプットをおこなうことで、身に付きます)

食品経営支援協議会では、HACCP計画を作成・支援できるためのワークショップを定期的に開催しています。2021年6月に「HACCPに沿った衛生管理」が完全制度化されますが、その後はますますHACCPをきちんと理解していることが求められます。
この機会に、ぜひHACCPスキルを身に付けられることをお勧めいたします。

一般社団法人食品経営支援協議会では、食品衛生やHACCPに関するコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。
https://fmsc.or.jp/contact/

執筆者

講師:沼

沼  博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員

食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。

★今後のセミナー開催一覧はこちらから>> 今後のセミナー一覧

にほんブログ村 経営ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへ