食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は、中小企業診断士の光武 晋一FMSC講師による「飲食店の売上予測」についてのお話です!

 

みなさんこんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の中小企業診断士 光武 晋一です。
本日は「飲食店の売上予測」について、ご紹介いたします。

飲食店を始めたいという場合には、どのくらい売上が出るのかわからないまま始めると危険です。また、金融機関に創業資金を融資してもらおうと考えても、売上予測がないままでは、お金を貸してもらうこと自体が難しいでしょう。
すでに店舗を経営されている方も、売上予測を行うことで店の売上のポテンシャルが分かります。現状の姿の確認や目標設定に使うことが可能です。

このようにとても重要な売上予測の立て方について、一つの例をご紹介いたします。

まず売上予測をするには根拠となる資料が必要となります。例えば以下のような資料です。

商圏の人口
国勢調査や市区町村の役所のサイトにある統計データ
特に国勢調査を公開しているjSTAT MAPが有用
https://jstatmap.e-stat.go.jp/jstatmap/main/login.html

店舗前の通行量
時間帯を決めて数える
数えた人数と時間から1日どの程度の人が通るかを推定

最寄り駅の乗降客数
鉄道会社のWebサイト等で探す

外食統計
民間企業(リクルートライフスタイル社 等)が公開している情報を活用

商圏内の競合店舗数
歩いて数える
Google Mapで数える

資料がそろったら、そこから数字を抜き出して計算をします。計算方法は店舗の特性等によって色々ありますが、基本的な計算の仕方は次の通りとなります。

①商圏内人口(人) x ②月間平均外食頻度(回) x ➂平均単価(円) x ④業態構成比率(%) ÷ ⑤近隣競合数= 予想月間売上高

以下の数字は例ですが、当てはめてみます。

①商圏人口(半径500m) 10,000
②月間平均外食頻度(外食統計) 4.5
➂平均単価(外食統計 業種:居酒屋) 3,400
④業態構成比率(外食統計 統計における居酒屋の構成比率) 19%
⑤近隣の競合数 10店舗

10,000人 x 4.5回 x 3,400円 x 19% ÷ 10店舗 = 2,907,000円

上記の状況におけるシミュレーションでは、月間の売上高は2,907,000円となりました。ただし、これは理論値となりますので、商圏内の全員が店を認知している場合です。
店舗前を通行してくれれば知ってもらえる可能性が高いですし、チラシをまくことで宣伝をする必要もあります。また、2,907,000円を平均単価の3,400円で割ると月に855人が来ることになりますので、店舗の客席数回転数も考えなければなりません。

このように諸条件はありますが、シミュレーションにより指標を立てることができます。
もし、すでに店舗を開いていて、シミュレーションの数字に届いていれば、適切に頑張っていることがわかりますし、逆に届いていなければ店が認知されていない等、何らかの足りない点があるということになります。次の目標設定につなげることができるのです。

これから出店を計画されている方もすでに店舗経営をされている方も、売上予測をうまくご活用ください。

一般社団法人食品経営支援協議会では、このような経営の問題発見・課題解決につながるコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。
https://fmsc.or.jp/contact/

 

執 筆 者

光武 晋一
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士  / 経営コンサルタント  / 独立行政法人中小機構人材支援アドバイザー / 情報処理安全確保支援士

システムエンジニアとして活動後、炭火焼鳥居酒屋を開業し、飲食店での販売促進、集客力向上、Webの活用、衛生管理を実践。中小企業、商店街と地域商業の活性化、創業者の支援へ携わる。

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