食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は長年微生物の研究にたずさわっている、健康管理や食品衛生のエキスパート山口が、腸内細菌についてお届けします。

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の山口 幸三です。

食品事業者の皆さまにとって、細菌は「食中毒の原因」であったり「発酵に不可欠なもの」であったりすると思います。ただ、細菌って食品以外にもいろんなところに存在して、私たち人間にさまざまな影響を与えています。
そんな細菌の中で、近年とても注目されているのが「腸内細菌」です。読者の皆さんも「腸内細菌」「腸内フローラ(腸の中にいる細菌全体のこと)」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
今日はそんな腸内細菌の概要と解析方法についてご紹介します。

■腸内細菌とは

腸内細菌とは、その名の通り、腸の中にいる細菌のことです。体重約60kgの人のお腹の中には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌がいると言われています。重さにして約1~1.5kgです。


※ 腸内細菌はものすごく小さいので、100兆個もの細菌がお腹の中に入っています。

こんなに多くの細菌がお腹の中にいるなんて驚きではないでしょうか?
そして、「こんなにたくさんいるのだから、健康や病気に関係している」と考えるのが自然かもしれませんね。実際、腸内細菌は健康や病気に密接に関係していますし、私も製薬会社勤務時代はその関係性を長年研究していました。
いまや国家プロジェクトとして腸内細菌の研究が進められる時代です。世界中の製薬会社や研究機関もこぞって腸内細菌音研究をしています。そう遠くない将来、働く従業員の健康や、飲食店のメニュー開発においても、腸内細菌のことを考慮する時代がやってくると私自身は考えています。

■腸内細菌の解析方法

ここからは余談です(笑)
皆さん、腸内細菌の解析方法ってご存知でしょうか?
「腸の中を調べるのだから、内視鏡とか使うんじゃないの?」と思うかもしれませんね。
実は、実際の研究の現場では内視鏡ではなく、もっと簡単に腸の中を解析します。単刀直入に言うと、便(う〇こ)を使うんですよね。
びっくりするかもしれませんが、世の中の腸内細菌研究者は便の解析をしているんです。簡単にサンプルを採取できるため、経時変化(日ごとの変化)も簡単に確認することができるのです。私も研究者時代はネズミの便を分析していました(汗)

余談のほうが興味深いと思った読者もいらっしゃるかもしれませんが、今後の健康を考える上で大事な「腸内細菌」に少しでもご興味を持って頂けると幸いです。

一般社団法人食品経営支援協議会では、HACCPの導入前の研修から、計画の策定とモニタリングを中心とした運用に関して、トータルなご支援をおこなっています。お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執 筆 者

山 口 幸 三
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
上級HACCPコーディネーター  / エキスパートファスティングマイスター

大学・大学院・製薬会社勤務時代の15年間、一貫して微生物の研究に従事。腸内細菌や食中毒原因菌など幅広い微生物に関する専門知識を有する。製薬会社を退職後は、健康管理や食品衛生に関する法人を設立。専門的な内容をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。

★食品経営支援協議会では、経営のお悩みの解決につながるコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから

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