食品経営支援協議会の専門家によるコラム。HACCPの12手順について解説します。本日は第9回です。

 

みなさん、こんにちは。FMSC 講師の中小企業診断士 金子和博です。

本日9回目のブログでは、HACCP7原則12手順のうちの「手順9【原則4】モニタリング方法の設定」についてご紹介します。安心・安全な製品を製造するためには、「手順8【原則3】」で決定した「管理基準(CL)」がしっかりと守られ、運用されているかどうかについて監視・確認することが必要です。今回のブログでは、その監視・確認の方法と、設定方法についてご説明したいと思います。

モニタリングとは

必須管理点(CCP)が管理基準(CL)内で、しっかりとコントロールされているかどうかについて監視・確認(観察、測定)するというHACCP管理運営をしていく上で重要な作業となります。
こういったモニタリング活動を実施し、異常があるかどうかについて監視することで速やかに措置を講じることができます。

モニタリング方法について

モニタリングを適切に実行するためには、「なにを」「いつ」「だれが」監視するのかを明確に決めておく必要があります。

①なにを
監視するべき対象を明確にしておく必要があります。
 ≫データ:温度、時間、pH値、水分活性 等
 ≫モノ:表面、中心、色、粘度 等
製造中、異常が発見された際にはその製品に関する出荷をストップし、市場へは流通させないようにする必要があります。そのため、検査結果がでるまでに時間を要してしまう「微生物検査」などは、ふさわしくないでしょう。

②いつ
モニタリングは、連続的、もしくは、適切な頻度(基準が守られていることが担保できる)、例えば1時間ごとなど設定して行います。

③だれが
モニタリングを担当する人は、誰が行っても良いというわけではなく、しっかりと教育訓練を受けたものである必要があります。
モニタリング担当者のなる人は以下のことを確認しておきましょう。
 ≫モニタリングを実施する事の重要性
 ≫管理基準(CL)
 ≫モニタリング方法(どのように記録をつけるのか等)
記録を残すことにより、HACCPが正しく運営されていることを証明できます。
 ≫異常時の対応方法
※次回、ブログ(手順10【原則5】改善措置の設定)でご説明します。

以下、参考までに、モニタリング方法の設定に関する表をご紹介します。

いかがでしたでしょうか。本日は、手順9【原則4】モニタリング方法の設定について説明してきました。次回、手順【原則5】では、異常が発生した場合、つまり、管理基準(CL)から逸脱してしまった際に、あらかじめとるべき改善措置の設定方法についてご説明します。

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執 筆 者

金子 和博
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士 / HACCPコーディネーター / 中級食品表示診断士

食品業界(商社、メーカー<ファブレス含む>)に20年以上勤務し、新規事業開発、国内・海外への販路開拓等に携わる。商品開発、原料の買付から、生産、営業(販売)等、幅広い経験を活かし、「商品戦略×チャネル戦略」を軸にしたマーケティング支援を行う。

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