食品経営支援協議会の専門家によるコラム。本日は、売上、利益向上策についてご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。FMSC 講師の中小企業診断士 金子和博です。

本日は、売上、利益向上策についてお伝えしたいと思います。
売上を向上させるために日々営業努力をされているかと思います。みなさんは、売上を更に上げるために、どのような対策を講じていますか?
市場調査・競合調査を行い、新商品企画・開発をする、また、新たな営業先を増やす等、いくつかの方法があるかと思います。
新商品を開発する、新たな営業先を増やす、つまり今までとは違う、新たな行動を起こす事は重要ですし、間違っていませんが、即効性を求める際には有効な手段ではありません。

そこで、新たな行動を起こす前に実施して頂いた方が良い事についてご紹介したいと思います。

既存顧客の棚卸と掘起し

長年事業運営を行っていると、ある程度の顧客ネットワークが出来ているかと思います。毎月取引のある先、1年に数回の先、など様々かと思います。ここで見落としがちなのが、取引頻度が少ない顧客です。
例えば、該当先が問屋で、自社の1アイテムのみ、その問屋経由である小規模スーパーに導入されているとします。小規模スーパーなので、発注数、頻度ともに少なく特に営業フォローをしていないという企業様がいらっしゃいました。
そこで、問屋へのヒアリングをするように薦めたところ、いくつもの販売先を持っており、新たなエンドユーザーへアプローチが出来たという事例が実際にありました。
商品の扱い量の多い問屋は、売れる商品にしか興味がありません。つまりバイヤーが興味のあるもの問合せのあったものを中心に提案をします。よって、自社商品は埋もれてしまう事が多いのです。

以上のことから、先ずは現在の取引先の分析を行い、そこから掘起しをすることを強くお勧めします。

〇既存商品の分析

 自社の売れ筋商品など、出荷数量・売上高等の情報をもとにある程度把握はされているかと思います。営業する人間も、売りやすい商品を提案する傾向があるので、出荷実績としては売れ筋商品と判断されているものの、本当にその商品が利益貢献をしているかどうかは分析してみないとわかりません。事業運営を継続して行くためには利益が必要となるため、粗利ベースでの商品戦略が必要になってきます。

先ずは、既存商品を粗利ベースでの分析を行います。上記「既存顧客の棚卸と掘起し」でリスト化された先に提案を行いながら、ヒアリングを実施、現時点の商品分析を行います。そこで販売が決まれば、その商品を他ルートへ提案し販路を拡げていきます。
ヒアリングの結果リニューアルをすれば可能性があるのであれば、微調整を行う等の対応も有効かと思います。

本日は、売上・利益向上の対策を行う上で重要となる考え方について、事例をもとにお伝えいたしました。貴社の売上・利益向上の参考にして頂ければと思います。

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執 筆 者

金子 和博
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士 / HACCPコーディネーター / 中級食品表示診断士

食品業界(商社、メーカー<ファブレス含む>)に20年以上勤務し、新規事業開発、国内・海外への販路開拓等に携わる。商品開発、原料の買付から、生産、営業(販売)等、幅広い経験を活かし、「商品戦略×チャネル戦略」を軸にしたマーケティング支援を行う。

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