食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は、働き方改革関連法について、理事の豊島からご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の豊島 慎司です。2020年に入ってからはじまったコロナウイルスの感染拡大は、最初は緩やかだったものの、徐々に拡大していき、感染防止に向けた移動の自粛はこれまでの働き方を見直すきっかけともなっています。

2019年4月に施行されている「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」では、大きく次の8点について制度が変更されています。

1:労働時間の上限規制
長時間労働の是正を目的として、残業時間の上限が明確に定義されています。

2:同一労働同一賃金
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差が禁止されます。

3:年次有給休暇の取得義務
年次有給休暇の日数が10日以上の労働者に対し、うち5日については、付与日から1年以内の期間に、なんらかの方法によって取得させなければいけません。

4:割増賃金の引き上げ
法定労働時間を超えた時間外労働時間について割増賃金のうち、60時間以上の割増率が引き上げられます。

5:勤務間インターバル
前日の終業時刻から翌日の始業時刻までの休息時間について、一定の時間を確保することを企業の努力義務としています。

6:フレックスタイム制度
一定の期間内に、あらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。(従来の制度に比べ、労働時間の調整がより容易になりました。)

7:産業医の権限強化
産業医の独立性・中立性を高め、効果的な活動を行いやすい環境整備や、事業者と産業医の情報連携などが強化されています。

8:高度プロフェッショナル制度
高度な専門知識を有し一定水準以上の年収を得る労働者について、労働基準法に定める労働時間規制の対象から除外する仕組みです。

働き方関連法では、「長時間労働の是正」「正規・非正規の不合理な処遇差の解消」「多様な働き方の実現」の3つが柱となっていますが、このうち、「多様な働き方の実現」について、時差通勤テレワークといった働き方の対応は必要に迫られており、実現している企業も増えている状態です。また、コロナウイルス感染の鎮静後も法令遵守にかかわらず、多様な働き方が求められていくことは間違いありません。

一般社団法人食品経営支援協議会では、食品衛生に関連するご支援のみでなく、経営課題解決に向けたご支援もおこなっています。ITを活用した働き方の見直しや、生産性向上に向けた取り組みなど、お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執 筆 者

豊島 慎司
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
LLPモンブランコンサルティング 代表
中小企業診断士  /  ITコーディネータ / ITストラテジスト / ウェブ解析士 / HACCP コーディネーター
システム開発の現場にて、20年にわたりさまざまな規模のシステム開発および導入の実 務経験を積む。独立後は、大手企業のシステム化企画支援、PMO支援、および中小企業 のIT活用、経営支援に携わっている。現場が抱える課題についての調査・業務分析、業務 改善や生産性向上、IT 化支援、Web 活用、データ分析を得意領域とする。

★食品経営支援協議会では、経営のお悩みの解決につながるコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。お問い合わせはこちらから

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