食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回はシンガポール視察のお話を酒井FMSC講師がご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の酒井です。

1月のはじめに、現在輸出の販路開拓支援を行っている食品加工会社さんに同行し、香港とシンガポールへ市場調査と現地企業との商談に行ってまいりました。シンガポールには行ったことがある方も多いとは思いますが、私にとって久しぶりのシンガポール、思ったより日本の食文化が浸透している面もあり、このブログで出張時の雑感の幾つかを、ご報告したいと思います。

シンガポール。ゴミの落ちていないガーデンシティ、手入れの行き届いた街路樹と、高級車が走る街。そして食文化を含む様々な日本のカルチャーが深く受け入れている街でした。
スーパーには、日本の生鮮品が専用のコーナーで並べられています。シンガポールに距離が近いので、特に九州の果物や野菜も多く陳列され、あのくまモンもたくさんいました。

お刺身もスーパーの棚にあり、もう文化としては浸透していることを実感しました。コンビニエンスストアに至っては棚ごと日本語のオンパレードで、今自分がシンガポールにいるのか、日本にいるのか、不思議に思う状況でした(笑)

日系書店では、女子に人気のキャラクター「すみっこぐらし」のコーナーもありました。

また、飲食店では、日本食もかなり細分化されて、和食のカテゴリーも様々な味を楽しめるようになっておりました。稲庭うどんなど「ツウ」なお店もあり、見方を変えると、日本よりも日本的という感じがしました。写真にあるような居酒屋文化も、ここでは通常の風景で、イメージは新橋の高架下のように店長ががんばっている居酒屋さんもありました。

その一方で、現地での家賃は高く東京以上で、ある居酒屋さんは家賃が約50万円/月とのことでした。そしてそもそも儲かっているお店に対して、契約更改時に驚くほどの値上げを要求してくる場合があり、拒否すると退店するしかない、そんなシビアな交渉が必要となるとのことでした。だいたい同じような家賃で契約更改する日本とは違う商慣習には、現地で頑張っている飲食店さんのご苦労が少しだけ分かった気がしました。

また、シンガポールと言えば、マリーナベイサンズ。皆さまも見慣れている3つの建物がならんだ場所は、コンベンションセンターになっています。ここには、入り口の写真しかありませんが、こちらで様々な展示会が開かれます。香港もシンガポールも多くの展示会が開催され、販路開拓も商談もここからスタートといったことが少なくありません。

“現地のバイヤーがどうやって日本の食材業者と接点を持てたか?”という問いには、やはり展示会が最短距離の選択肢の一つです。今回の出張も、昨年の11月の展示会で接点を持った現地事業者と、さらに現実的な商談ということで日系企業を含む数社に訪問しました。
日本の生産者にとって、このシンガポールは、海外の外国の遠い場所、ではありません。日本製のものは現地でも受け入れられ、マーケットが大きく広がっています。「海外はちょっと難しいかなぁ・・」などと思わず、チャレンジしてみるべき市場となっています。

当協議会では、事業者の販路開拓に向け「商品の強みのブラシュアップ」と「展示会活用や海外展開」といったコンサルティングのサービス、更には、今回の出張のように同行営業のサービスも提供しております。お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/