食品経営支援協議会の専門家によるコラム。本日は、「ブランディングのフロー」の第2ステップ、コンセプト設定についてご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。FMSC 講師の中小企業診断士 金子和博です。

前回のブログでは、ブランディングを進めるにあたって、やるべきステップ(フロー)の1つ目である、「リサーチ」について説明しました。今回は、前回のステップで整理した「今後も維持していく点」「さらに強化していく点」「また改善すべき点という視点」という3つをポイントとして、自社におけるコンセプトを設計していく工程となります。

ステップ② コンセプト設定

コンセプトとは以下のように、「だれに」「なにを」「どのように」という3つの項目で構成されます。 

(1)だれに:どんなお客様から好かれたいか?

(2)なにを
・外側の価値……お客様が得ることができるメリットや効果
・内側の価値……お客さんが得ることができる感覚的、心理的な価値 

(3)どのように:共感を得るメッセージ

上にある3つ、それぞれについて説明していきます。

コンセプト構成(1)「だれに」について

貴社にとっての「理想となるお客様像」を言語化していきます。自社の提供する価値がもっとも響くであろうと考えられる人物像という視点で、を描くことが重要です。同様のサービスに対し価値を感じてくれる人もいれば、まったく興味を示してくれない人もいるように、ターゲットとなる人が根底にもっている価値観によってそれは左右されてしまうため、この、自社にとってのターゲット像を設定する工程は大事なステップとなります。

コンセプト構成(2)「なにを」

お客様へ提供することができる価値について、「外側の価値」「内側の価値」2つに分けて考えましょう。お客様は、「美味しいから」、「健康に良いから」といった外側の価値だけでなく、この会社が作っているこの商品は「安心だから」等といった「内側の価値」も併せて、商品の選択をしています。
外側の価値(機能)で差別化が難しくなっている現状においては、この「内側の価値」についても明確化することが大変重要となります。 

コンセプト構成(3)「どのように」

「価値観」が重要なポイントです。商品の選択肢が多い環境にある、昨今の消費者においては、会社の取組、姿勢や大事にしていること等、といった「自社独自の価値観」に共感をすることで商品を選択しています。コンセプト構成「①だれに」にて設定したお客様と価値観というレベルで共感し合うことが必要となります。
「どのように」とあると、売り方などを連想されるかと思います。もちろん伝える方法、販売方法も大事ですが、ブランディングにおいては、自社にとってのお客様から「共感」を得るためのメッセージを言語化(見える化)し、それを繰り返し伝えていくことが非常に重要となります。

本日は、ブランディングを進めていく上でのセカンドステップ「コンセプト設定」について説明してきました。次回ブログでは、「ステップ③ イメージ化する」について、ご紹介したいと思います。

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執 筆 者

金子 和博
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士 / HACCPコーディネーター / 中級食品表示診断士

食品業界(商社、メーカー<ファブレス含む>)に20年以上勤務し、新規事業開発、国内・海外への販路開拓等に携わる。商品開発、原料の買付から、生産、営業(販売)等、幅広い経験を活かし、「商品戦略×チャネル戦略」を軸にしたマーケティング支援を行う。

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