食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は、中小企業診断士の光武 晋一FMSC講師が令和2年3次補正予算案である、「中小企業等事業再構築促進事業」について解説します。

 

みなさんこんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の、中小企業診断士 光武 晋一 です。

新型コロナ感染症による感染拡大が大幅に進行し、17日にコロナ禍で2度目の緊急事態宣言がだされました。一都三県の飲食店に対してはさらなる時短要請がなされ、協力金などの補償もありますが、事業者さまによっては本当に厳しい状況となろうかと存じます。そのような状況で始まった2021年ですが、このような時だからこそ事業を振り返り、継続可能な将来を考えることをご提案いたします。

昨年12月に中小企業の再構築促進事業として「総額1兆円規模」の「事業再構築補助金」の創設が発表されました。詳細はまだ出ておりませんが、概要についてはミラサポPlusのサイトにてPRされています。

要件は、新規事業や事業転換、事業再編に取り組む中小企業中堅企業を支援する補助金となります。中小企業で主として使われる「通常枠」でも「補助額 100万円~6,000万円 補助率 2/3」となっており、かなり大きな金額で利用できます。平均的な申請額が1千万円であれば10万社が採択となり、たとえば申請額300万円程度であれば30万社強くらいが採択数となります。実態がどうなるかは結果次第ではありますが、かなり多くの事業者で採択可能と考えられます

この補助事業で対象となる取り組みは、PR資料によると「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業の新たな挑戦を支援する」となっています。事業再構築の具体的な事例は省庁連絡会議などの資料から次のようなものが想定されるようです。かなり幅広く利用ができそうです。また、こういった補助金ではあまり見られない「建物費、建物改修費」も対象となっています。つまり、『外装工事・内装工事』にも利用ができそうであるということです。

そして、申請についての重要なポイントが「事業計画書」の提出となります。「ものづくり補助金」の例を参考にすると、次の通りです。

35年の次の項目の詳細年ごとの推移理由
売り上げの構成
経費の詳細
人件費
付加価値額の伸び率

1年ごとに変わる金額の推移根拠・理由とともに示す必要があります。これを作るために、『今のうちに今後の事業戦略と投資・回収を思い描き、文章化する』ことが重要です。今が『現在の事業』を『どのように変化させていく』のか、もしくは『どのような新しい事業に挑戦する』のかを考える時間です。

「事業再構築補助金」の詳細はまだ決まっていないながら、令和2年度の補正予算とのことですので、申請開始は3月頃には始まると想定し、今のうちにこれから数年の事業計画を練っていきましょう。普段は「たまたまちょうどいい補助金がある場合に使う」ことが多いですが、今回は違います目の前にすでに使える補助金が見えています。この補助金をコロナ禍に対抗する最後のチャンスととらえて、逃さないよう準備を進めましょう。

一般社団法人食品経営支援協議会では、このような経営の問題発見・課題解決につながるコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執 筆 者

光武 晋一
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士  / 経営コンサルタント  / 独立行政法人中小機構人材支援アドバイザー / 情報処理安全確保支援士

システムエンジニアとして活動後、炭火焼鳥居酒屋を開業し、飲食店での販売促進、集客力向上、Webの活用、衛生管理を実践。中小企業、商店街と地域商業の活性化、創業者の支援へ携わる。

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