食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は小規模な飲食店向けのHACCP対策のツールのご紹介します。 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の秋島  一雄です。

まだまだ先が見えないコロナ禍と緊急事態宣言等、だから衛生管理の準備はなかなかできない、という声をよく伺います。特に人手の足りない小規模な飲食店の経営者は「一体何をどうすればいいの?」という状態の方が少なくありません。
改正された食品衛生法(すでに先月か完全実施になっています)では、小規模事業者・飲食店などは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で十分としています。それは一般的な衛生管理を基本に、各事業者団体が作成した手引書による衛生管理で良いなっています。そこで簡単に2つのツールのご紹介を致します。

1)業界団体作成の手引書(厚労省のホームページに掲載)

厚労省のホームページからダウンロードが可能で、小規模な一般飲食店事業者向け (57ページ)とその概要版(23ページ)があり、分かりやすくまとめられています。

簡単に概要版のタイトルをご紹介しますと、

1:衛生管理計画を作成しよう
2:計画にあわせて実践してみましょう
3:実施したことを確認して、記録しましょう
これらの3項目と手順書(1.原材料の受入の確認 2.冷蔵・冷凍庫の温度の確認 3.交差汚染・二次汚染の防止 4.器具等の洗浄・消毒・殺菌 5.トイレの洗浄・消毒 6.従業員の健康管理・衛生的な作業着の着用など 7.衛生的な手洗いの実施)とその記録シートが掲載されてます。

2)東京都福祉保健局が「食品衛生管理ファイル」とその記録表

このファイルは他県の保健所が配布しているとの話もあるような、シンプルで分かりやすいものです。食品衛生管理ファイルは全部8ページで、衛生管理計画を一般衛生管理(業界の手引書と同じ1原材料の受入確認から7衛生的な手洗いの実施、といった全く同じ流れ)と重要管理(メニュー別に熱処理で分けた3つのグループでの管理方法の例示)となっています。
その記録表はpdf形式だけでなくエクセル形式でのダウンロードが可能であり、そこに書き込むことで、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が出来上がります。

衛生管理で実施すべきことは3つだけで、

1:計画作成
2:その実施
3:記録の管理・保存

これらを忠実にやれれば、十分合格点に達しますので、まずは計画作成から着手し、継続は力なりなので、しっかりとPDCAを回してください。

一般社団法人食品経営支援協議会では、このHACCPへの理解を深めるためのマイスター習得セミナーを含めた様々研修やセミナーをご提供しています。お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執 筆 者

秋島 一雄
一般社団法人 食品経営支援協議会 代表理事
中小企業診断士  / 東京商工会議所中小企業相談センターコーディネーター  / HACCP コーディネーター / 産業能率大学兼任講師

総合商社の営業マンから経営コンサルタントとして独立。中小企業専門のコンサルタントとして、東京商工会議所を含め公的機関にて年間200件以上の経営支援実績がある。また販路開拓・マネジメント・海外展開・創業塾等の研修・セミナーの講師も務め、その現場感覚のある指導でリピーターも多い。

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