本日は沼博之講師より、ご支援先からよくある質問について、数回にわたって解説していきます

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の沼博之です。今回からよく聞かれる質問に対して、なるべく分かりやすくお答えしていこうと思います。

「飲食店で、弁当や惣菜のテイクアウトとデリバリーを始めました。食品表示は必要ですか?」

今回の質問ですが、下記の3パターンで対応が異なります。

1.その場でお客様の要望に応じて、弁当や惣菜を容器に詰めて販売している。
表示は必要ありません。 

2.その場でお客様の要望に応じて弁当や総菜を容器に詰めて販売しているが、忙しい時間帯には前もって容器に詰めたものも販売している。
表示は必要ありません。 

※上記の1.2は、お客様から品質等に関して質問があった時には、その場で答えられることが前提となっていますので、きちんと説明できるように事前準備をしておくことが必要です。

3.弁当や総菜は、前もって容器に詰めているものだけを、調理した店舗で販売している。
表示は必要です。
ただし、安全に関する表示だけが必要となります。
(名称、添加物、アレルゲンを含む場合そのアレルゲン名、消費期限、保存方法、製造所の名称及び所在地)
調理した店舗以外で販売する場合には、すべての表示事項の記載が必要となります。
(上記の安全に関する表示以外の品質表示:原材料名、原材料上位1位の原料原産地名、内容量、栄養成分表示(レシピが3日以内に切り替わる日替わり弁当は栄養成分表示が省略可))
※弁当や総菜を、日持ちさせることを目的とした包装形態(真空パック等)冷凍処理した場合には、すべての表示事項の記載が必要となります。(そうざい製造業、冷凍食品製造業の営業許可も必要となります。)

その他、気を付ける点を記載しておきます。

調理した店舗以外で弁当や総菜を販売する場合(インターネット通販も含む)には、飲食店営業許可以外に「そうざい製造業」の営業許可も必要です。
自店で調理していない弁当や総菜を仕入れて販売する場合、「食品販売業」の営業届出が必要です。
営業届出は、営業許可と異なり「施設基準」や更新は必要ありません。ですが、営業許可と同様に「食品衛生責任者」の設置と、HACCPに沿った衛生管理(衛生管理計画書の作成・記録・見直し)は必要になります。

食品経営支援協議会では、HACCP計画を作成・支援できるためのワークショップHACCPマイスター・オンラインセミナー」を定期開催しています。2021年6月に「HACCPに沿った衛生管理」が完全制度化されましたが、その後はますますHACCPをきちんと理解していることが求められます。

この機会に、ぜひHACCPスキルを身に付けられることをお勧めいたします。

一般社団法人食品経営支援協議会では、食品衛生に関連するご支援のみでなく、経営課題解決に向けたご支援もおこなっています。ITを活用した働き方の見直しや、生産性向上に向けた取り組みなど、お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執筆者

講師:沼

沼  博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員

食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。

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