みなさんこんにちは。食品経営支援協議会（FMSC）講師の中小企業診断士 光武 晋一 です。本日は「飲食店の売上向上」がテーマです。
飲食店の売り上げを簡単に表すと、【 客数 × 客単価 】となります。つまり、売上を向上させるには「お客さんを増やす」、もしくは「お客さんに買ってもらう金額を上げる」こととなります。今回はこのうちのお客さんを増やす作戦について考えてみたいと思います。
来店客数はどうしたら増えると思いますか？
料理がおいしいこと？サービスがいいこと？珍しい料理があること？雰囲気がいいこと？全部その通りですし、他にもいろいろあるかと思います。
実はお客さんの増やし方には順番があります。
お客さんは、【新規のお客さん】と【再来店するリピーター】に分けられます。先ほど例に挙げた内容は、主に一回来たことのあるお客さんにしか伝わらない内容です。まずは一回来てもらい、次に来てもらうためにおいしい料理と良いサービスを提供するわけです。この「1回来てもらう」が大変重要です。1回も来てくれなければ、どんなに良いメニューやサービスがあってもリピーターにはなれないからです。簡単な数字にしてみますと、次の式となります。
【A. 新規の10人】 × 【B. 10%が気に入ってくれる】 ＝ 【C. 1人のリピーターを獲得】
おいしい料理や良いサービスなどは【B. 10%が気に入ってくれる】の確率の向上につながるため、重要な要素ですが、【A. 新規の10人】をどう増やすかについては忘れがちです。
そこで、1回来てもらうにはどうしたらよいのかを深掘りいたします。次の考え方が参考になるかと思いますのでご紹介します。
アイドマ(AIDMA)の法則
A Attention（注意） 認知段階 お店を知っている ⇔ お店を知らない
I Interest（興味） 感情段階 興味を持つ ⇔ 興味がない
D Desire（欲求） 感情段階 行ってみたいと思う ⇔ 行ってみたいと思わない
M Memory（記憶） 感情段階 行ってみたいと覚えてる ⇔ 行ってみたいことを覚えてない
A Action（行動） 行動段階 行ってみる ⇔ 行く機会がない
これはAIDMAの法則と呼ばれる、お客さんが実際に商品を買うまでの心理的プロセスのフレームワークです。一番上の【知る】から一番下の【行ってみる】まで、順番に乗り越えていく必要があります。これ以外にも似たようなフレームワークがありますが、今回はAIDMAで考えてみます。
順番のとおりまずはA「Attention（注意）」の「お店を知ってもらう」から始める必要があります。実は店舗の近くに住んでいる人であっても、お店を知らない人がたくさんいます。知らなければお店には来ません。逆に考えると、お店を知ればそれだけで興味をもって実際に行ってみる人も出てくるわけです。まずはお店があることを、大きい声で知らせましょう！お店を知らせる方法は、「人通りの多い立地」「目立つ看板」「チラシの配布」「口コミ」「Webの活用」などがあります。いくつかの方法を複合的に使って知らせていってください。
真ん中の【IDM】は、「知った人」が「来店する」までの確率を増やすための項目になります。どんな魅力的なメニューやサービスがあるかをきちんと示すことで、行きたいと思ってもらえるようにします。
このようにして一回来てもらうことができれば、お客さんに料理のおいしさやサービスの良さを確かめてもらうことができます。ここにきて味やサービスによるリピートの確率向上につなげることとなります。
今回は特に新規顧客獲得の重要性について考えてみました。味やサービスももちろん重要なのは言うまでもありませんが、集客について段階を踏まえて作戦を立てることも重要です。本コラムがみなさまのお店の繁盛につながれば幸いです。
一般社団法人食品経営支援協議会では、このような経営の問題発見・課題解決につながるコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。
執 筆 者
光武 晋一
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士 ／ 経営コンサルタント ／ 独立行政法人中小機構人材支援アドバイザー ／ 情報処理安全確保支援士
システムエンジニアとして活動後、炭火焼鳥居酒屋を開業し、飲食店での販売促進、集客力向上、Webの活用、衛生管理を実践。中小企業、商店街と地域商業の活性化、創業者の支援へ携わる。
★今後のセミナー開催一覧はこちらから>> セミナー一覧
