沼理事の寄稿が「月刊HACCP2021年3月号」に掲載されました
本日は沼博之講師が執筆した「月刊HACCP2021年3月号」の記事についてご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の沼博之です。
今回は、月刊HACCP3月号に掲載された内容の一部をご紹介したいと思います。

月刊HACCP3月号の特集は「国際標準の一般衛生管理の効果・効率的実務~Codex適正衛生規範、HACCP制度化、FSMS規格への対応」で、私は「効果・効率的なトレーニングおよび力量評価」というテーマで書かせていただきました。

その中で「食品安全における個人力量の重要性」を、ここでご紹介させていただきます。

食品衛生におけるトレーニングの目的は、「個人の力量を上げ続ける」ということです。単にルールを守らせるトレーニングだけではなく、この個人力量を上げることがとても重要です。

力量の要素には、3つあります。
意識:食品衛生上の、自分の役割と責任の重要性を理解していること。
知識:食品衛生の正しい知識を持っていること。
技能:その知識を現場で生かせる能力があること。

組織においては、2:6:2の法則があると言われています。2割の人が意欲的に働き、6割の人が普通に働き、残り2割の人が怠ける傾向が高いという法則です。

 しかし食品安全においては、残り2割の人が怠け者になってしまったら大きな食品事故につながってしまいます。つまり、食品の製造または調理の現場においては、「すべての従事者が最低限の力量を持つ必要がある」ということです。

 また力量を上げても、人には「慣れ」という現象が起こります。慣れには良いことと悪いことの2つの相反する面があります。
まず良い面として、慣れにより食品衛生のルールを守ることが「当たり前」になり、意識と行動が「習慣化」されます。
次に悪い面として、慣れにより次第に注意が散漫になっていく「馴化(じゅんか)」が起こります。その馴化を防ぐためには、常に刺激を与え続けることが必要になります。「衛生トレーニングを繰り返し行うこと」の理由は、そこにあります。

食品衛生の一般原則は50年ぶり、HACCP付属文書は16年ぶりの改訂となった衛生の国際規格であるCodex 食品衛生の一般原則2020年版」では、「積極的な食品安全文化の確立と維持」という概念が新たに加わりました。食品に携わるすべての事業者の経営者と全従業員が、「食品衛生の重要性を認識しなければならない」ということが、しっかりと明記されています。
食品安全において、「適格なトレーニングが適切な頻度で実施される」ということが、今後ますます食品事業者に要求されていくでしょう。

食品経営支援協議会では、HACCP計画を作成・支援できるためのワークショップ「HACCPマイスター®・オンラインセミナー」を定期開催しています。2021年6月に「HACCPに沿った衛生管理」が完全制度化されましたが、その後はますますHACCPをきちんと理解している個人の知識と技能が求められます。

この機会に、ぜひHACCPスキルを身に付けられることをお勧めいたします。

一般社団法人食品経営支援協議会では、食品衛生に関連するご支援のみでなく、経営課題解決に向けたご支援もおこなっています。ITを活用した働き方の見直しや、生産性向上に向けた取り組みなど、お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/

執筆者

講師:沼

沼  博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員

食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。

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