みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師のHACCPリードインストラクター沼博之(ぬまひろゆき)です。
HACCP(ハサップ)って何?日本語に直すと “危害要因必須管理点” ますますわからない?!
そんな方のために、今日は居酒屋の定番メニュー「肉じゃが」の調理工程からHACCPをわかりやすく説明します。
「肉じゃが」は、じゃがいも・人参・たまねぎ・絹さや・牛肉等の具材を、醤油・砂糖・みりん・酒・白だしなどの調味料で煮込む、皆さまご存知の定番料理です。
原料として仕入れた具材には、実はさまざまな食中毒の原因になる微生物がいっぱいついている可能性があります。
また原料の野菜には残留農薬や洗剤の洗い残し、牛肉にはBSE(牛海綿状脳症)があるかもしれません。調理で使う水が井戸水なら、水が微生物に汚染されている可能性もあります。
これらのような、食べた人の健康に危害を与えるようなモノを「危害要因」と言います。
「肉じゃが」の原料受入から洗い、カット、煮込み、冷蔵、盛り付けまでの調理工程において、どんな危害要因があるか、あればその要因をどの工程で取り除くのかを考え、文章や図にして「見える化」することが「危害要因分析」です。
危害要因分析で、危害要因を取り除くと決めたその工程が「必須管理点」になります。「肉じゃが」においては、食中毒の原因になる微生物を取り除く煮込みの工程が、必須管理点になるでしょう。
<次回へ続きます>
執筆者
沼 博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員
食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。
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