「HACCPコーディネーター養成ワークショップ」に登壇する沼博之 講師より、HACCPをわかりやすくご説明する連載・第3回です!

 

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師のHACCPリードインストラクター沼博之(ぬまひろゆき)です。

今回は第2回からの続きになります。前回では煮込みという加熱調理後にも、熱で死なない芽胞形成菌という微生物が「肉じゃが」に生存しているというところまでお話をしました。
芽胞形成菌は、「肉じゃが」が冷める時の20℃~50℃の温度帯が大好きで、一気に増殖したり、一部の芽胞形成菌は毒素を出したりします。
この冷やす工程では、20℃以下まで「素早く冷やす」ということが、大事なポイントになります。加熱調理が終わって30分以内に食材の中心温度を20℃まで冷やしてから、冷蔵庫へ入れてください。熱いままで冷蔵庫に入れると庫内温度が上がり、他の食材の微生物増殖にもつながってしまいますので、かならず小分けして氷水で粗熱を取ってから、保存してください。

盛り付け工程は手作業で行われることが多いので、調理場の人の二次汚染には要注意です。マスク、手袋着用はもちろん、調理前、トイレ後の手洗いはしっかりと行ってください。盛り付け後の2時間以上の常温放置も微生物増殖の大きな原因になりますので、厳禁です。

最後に、第1回でお話しした原料の野菜の残留農薬や、牛肉のBSE(牛海綿状脳症)店舗では防ぐ方法はありません。だからこそ、安全な食材を提供していただける仕入れ業者さんの選択が重要になってくるのです。

安全な食をお客様に提供するHACCPを、さっそく始めてみましょう。
お客様の信頼を守り続けていくために!

一般社団法人食品経営支援協議会では、このようなHACCPに関するコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。

https://fmsc.or.jp/contact/

執筆者

講師:沼

沼  博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員

食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。

 

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