みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の山口 幸三です。
食品事業者にとっては、自社商品を食べるお客様の健康についても興味があると思います。特に、2015年に「機能性表示食品」が導入された影響もあってか、最近は健康を意識した食品が増えてきています。
食品に含まれる栄養は、炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンの5種類に大きく分けられますが、ここでは「第6の栄養素」と呼ばれる食物繊維に焦点を当てたいと思います。
食物繊維は身体の構成成分やエネルギー源にならないことから、昔は不要なものと考えらていました。ところが、これまでの研究から、食物繊維には便通改善効果だけでなく、2型糖尿病の予防効果、心臓疾患の予防効果、大腸がんの予防効果など、健康を維持するうえでとても重要な働きがあることがわかってきました。そのため、現在では食物繊維の重要性が広く世の中に認められています。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性では1日に21グラム以上、成人女性では1日に18グラム以上の食物繊維を摂ることが推奨されています。
ところが、ほとんどの日本人はこの目標量を摂取できていません。厚生労働省の「平成28年 国民健康・栄養調査」によると、すべての世代において、食物繊維の摂取量が足りていないことがわかりました。
特に若者の食物繊維不足は顕著であり、推奨されている量の6割程度しか摂取できていません。
このように、日本人が食物繊維不足に陥っている背景には「食の欧米化」があると言われています。たしかに一般家庭の食卓においても、昔ながらの和食は減ってきていますよね。そして、「食の欧米化」が影響して、生活習慣病や大腸がんにかかる日本人も増えています。このことからも食物繊維の重要性はわかると思います。
今回は栄養の観点から「食」について述べてきました。メニューや商品を開発される際にはこのような観点も取り入れていきたいですね。
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執 筆 者
山 口 幸 三
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
上級HACCPコーディネーター / エキスパートファスティングマイスター
大学・大学院・製薬会社勤務時代の15年間、一貫して微生物の研究に従事。腸内細菌や食中毒原因菌など幅広い微生物に関する専門知識を有する。製薬会社を退職後は、健康管理や食品衛生に関する法人を設立。専門的な内容をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。
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