食品経営支援協議会の専門家によるコラム。本日は、「ブランディングのフロー」の一番最初のステップ、リサーチについてご紹介します。

 

みなさん、こんにちは。FMSC 講師の中小企業診断士 金子和博です。

前回のブログでは、ブランディングを進めるにあたって、やるべきステップ(フロー)について説明しました。どのような流れで進めればいいかが、ある程度イメージできたかと思います。
今回は、前回ご紹介したステップのうち、「ステップ① リサーチ」をする際のポイントについて説明したいと思います。

ステップ① リサーチ

このステップは、「あるべき姿」を見つけるための作業です。そのためにまずやらなくてはならないことは、貴社のブランドの「今」を把握するための現状分析(リサーチ)です。今ある物、資料、情報などから自社のブランドがどのように認知されているか、またそれはどういった根拠によるものなのか?について分析、把握する必要があります。情報収集の方法としては、以下のような作業を通して、核となるキーワードを抽出していきます。

①創業時のエピソードなどを調査する
②「経営理念」作成の背景などを調査する
③沿革などから自社にかかわる歴史、ストーリーを調査する
④過去に作成した、会社案内、商品カタログ、広告、社内報などの資料から過去の情報等を収集、調査する
特に、会社案内などは、他社に対し、商品カタログに関しては、エンドユーザー、若しくは取引先に対し、自社を紹介するという視点で制作されているはずですので、参考になる媒体です。

上記4つの項目をヒントにして、自社の現時点における「ブランド資産」の棚卸作業を行います。

次に、自社の未来「あるべき姿」についても調べていきます。
将来どんな会社にしたいか、どんな企業になっていたいか、また、他社からどう思われたいかについて明らかにしていきます。
主に以下のようなことを通して明らかにしていきます。

①経営者自身の考えのヒアリング
②経営方針、ビジョンの確認
③3年後、若しくは5年後など中期計画の確認
④現場の声 社員アンケートなどを実施する事で現場の声を収集する。

また、社内だけでなく、社外の貴社に対する「声」を収集することも重要になります。なぜならば、エンドユーザーや、お取引様が自社を選んでくれる理由こそが、価値となるからです。
よって、以下のような活動を通して外部の「声」を収集することをお勧めします。

 ①消費者アンケート調査
②お取引先様へのヒアリング調査 など。

こうした作業を通して収集したデータを整理します。
「あるべき姿」を作っていくうえで、今後も維持していく点、さらに強化していく点、また改善すべき点という視点で、整理します。
ここで整理した情報をベースに、見える化(言語化)するのですが、その工程が次のステップである「コンセプト設計」にあたります。
本日は、ブランディングを進めていく上でのファーストステップ「リサーチ」について説明してきました。次回ブログでは、「ステップ② コンセプト設計」について、ご紹介したいと思います。

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執 筆 者

金子 和博
一般社団法人食品経営支援協議会 講師
中小企業診断士 / HACCPコーディネーター / 中級食品表示診断士

食品業界(商社、メーカー<ファブレス含む>)に20年以上勤務し、新規事業開発、国内・海外への販路開拓等に携わる。商品開発、原料の買付から、生産、営業(販売)等、幅広い経験を活かし、「商品戦略×チャネル戦略」を軸にしたマーケティング支援を行う。

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