みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)講師の沼博之です。
今回は、私の専門の食品衛生から外れて、味のお話をしたいと思います。
味には「基本五味」と呼ばれる、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味があります。 辛味や渋味も味を構成する要素ではありますが、基本五味には含みません。
その五味の感じ方を調整することで、「味の黄金比」が出来上がります。
例えば、「餃子のタレ」の黄金比は、「醤油5: 酢:4 ラー油:1」の割合になります。この割合で混ぜることにより、塩味(醤油)・酸味(酢)・ラー油(旨味)を感じる「強さ」が同じになり、「うまい!」と感じるのです。つまり、味の黄金比とは、「3つの味を同じ強さで合わせる」テクニックのことです。
ここで、気を付けるポイントは「合わせる味の強さは3つだけ」ということです。五味の強さをすべて同じにしてしまうと、特徴のない味になってしまいます。
味の黄金比の応用として、2種類の「食材の相性」を見てみましょう。
まずは左側の2つの食材、チーズとワインを比べてみましょう。チーズの一番強い五味は、旨味の3、ワインの一番強い五味は、酸味と苦みの3。一緒に食べることで「旨味3: 酸味3: 苦味3」の黄金比ができました。相性は抜群ということですね。
次に右側の2つの食材、パンと味噌汁を比べてみましょう。パンの一番強い五味は塩味の2.5、味噌汁の一番強い五味は、塩味の4。重ねてみると「塩味4」になり、一緒に食べることでの味の相乗効果はまったくなしです。つまり、相性の悪い食材ということになります。
これらのデータは、ヒトの味覚を再現した「味覚センサー」で科学的に測定することができます。味覚センサーは、慶応義塾大学内のベンチャー企業 AISSY株式会社の特許技術です。
ご興味のある方は、AISSYのホームページをご覧になってください。
一般社団法人食品経営支援協議会では、食品衛生やHACCPに関するコンサルティングが可能です。お気軽にご相談ください。
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執筆者
沼 博 之
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
JHTC認定 HACCPリードインストラクター・上級HACCPコーディネーター・中級食品表示診断士・ASIAGAP指導員
食品業界(量販店、卸問屋、食品メーカー)の川上から川下まで経験し、販売・営業に31年間携わる。食品メーカー在籍中にはISO22000の食品安全チームリーダーを務め、HACCP構築のための社内外の指導教育、セミナー講師として活動。特に受講者の目線に立ったわかりやすい指導には定評がある。上記資格以外にも食の6次産業化プロデューサー・プロレベル4、JGAP審査員研修終了認定者、日本オーガニック検査員協会講習終了認定者でもあり、現在も活動領域拡大中。
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