みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の秋島 一雄です。
この原稿を書いている3月27日も、週末は不要不急の外出は控えるようにとの呼びかけがあり、コロナウィルスはまだまだ予断を許さない状況です。特に飲食店の方の影響は想像を絶する事業者様もいらっしゃって、年一番のピーク売り上げが大幅に落ち込んでいる聞きました。まだまだ不安ばかりで先の読めない状態ですが、一刻も早い収束を祈念しています。
さて、今回ご紹介をしたいのは、東京都福祉保健局が作成した「食品衛生管理ファイル」です。この保険局の「食品衛生の窓」では、計画表だけでなく記録表もダウンロードが可能です。
ご存知のように食品衛生法の改正で、2020年6月からはHACCPに沿った衛生管理が制度化され、全ての食品関係事業者は対応をしなければなりません。一方、小規模な一般飲食店は、何を・どこまで対応しなければならないのか?不安に思っている事業者様ばかりだと思います。
「HACCPに基づく衛生管理」は全ての食品事業者が原則対応しなければなりませんが、経営資源の限られている小規模事業者にはその弾力的運用ということで、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で良いとされています。その具体的な衛生管理の手引き書としてこの東京都の「食品管理ファイル」があります。
東京都福祉保健局「食品衛生の窓」https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
このファイル(内容は7ページで残りは記録表)の活用方法として、表紙の次のページに「使い方」(2ページ)があり、そこで①リスクを知る(3ページ)、②「衛生管理計画」をつくる、その中に「一般衛生管理のポイント(4ページと5ページ)」と「重要管理のポイント(6ページと7ページ)」があります。これはチェックシート式になっているので、自店のオペレーションの衛生管理面をこの内容で確認して、③「衛生管理計画」を実行して、④「記録表」に記録する、という一連の流れがこのファイルで完結できるようになっています。このファイルを1年以上保存し、保健所から求められた場合にはこのまま提示ができるという、まさに至れりつくせりのファイルになっています。食品衛生責任者はこのファイルに準じて記録し、問題があればすみやかに改善をしていく、という流れをつくるだけでOKということです。
是非ともこのファイルを活用し、日本の食品衛生管理を国際的に見ても遜色がない水準まで、引上げていかねばなりません。来日した外国の方におもてなしをするために、大きな食品関係事業者だけでなく小規模飲食店に至るまで、HACCPの理解を深めこの制度化に対応していくことが、日本の食の安全を内外に示し、更にその結果として日本を好きになってもらうといった好循環へ繋げていくことができれば、と思っています。
一般社団法人食品経営支援協議会では、HACCPの導入前の研修から、計画の策定とモニタリングを中心とした運用に関して、トータルなご支援をおこなっています。そのほか、事業者の販路開拓に向けた「自店や商品の磨き上げ」から海外展開に至るまでのコンサルティングも可能です。お気軽にご相談ください。https://fmsc.or.jp/contact/
執 筆 者
秋島 一雄
一般社団法人 食品経営支援協議会 代表理事
中小企業診断士 / 東京商工会議所中小企業相談センターコーディネーター / HACCP コーディネーター / 産業能率大学兼任講師
総合商社の営業マンから経営コンサルタントとして独立。中小企業専門のコンサルタントとして、東京商工会議所を含め公的機関にて年間200件以上の経営支援実績がある。また販路開拓・マネジメント・海外展開・創業塾等の研修・セミナーの講師も務め、その現場感覚のある指導でリピーターも多い。
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