食品経営支援協議会の専門家によるコラム。今回は長年微生物の研究にたずさわる健康管理や食品衛生のエキスパート山口理事がお届けします!

みなさん、こんにちは。食品経営支援協議会(FMSC)理事の山口 幸三です。今回は冬になると猛威を発揮するノロウィルスについてお話ししていきます。

まずは教科書的な内容を整理しておきましょう。ノロウィルスの特徴をまとめると以下のようになります。

・感染しやすい時期:冬
・症状:腹痛、下痢、発熱、1日に複数回の嘔吐
・感染力:強い(微量のウィルスを摂取するだけで感染)
・感染源:二枚貝、感染者の糞便や嘔吐物

「全食中毒のおよそ半分はノロウィルスが原因」と言われるほど、ノロウィルスによる食中毒被害は日本全国に広がっています。実際、私も過去にノロウィルスに感染し、下痢、発熱、複数回の嘔吐に見舞われました。私の場合は特に、複数回の嘔吐が特徴的で、「もう吐くものがない」という状態なのに、トイレで嘔吐していた記憶があります。当時の私のように若い人が感染しても死に至ることはあまりありませんが、高齢者が感染すると命を落とす危険性もあるため、特に注意が必要です。

このように、ノロウィルスによる食中毒は、感染しやすいうえに重篤な症状に陥りやすいという厄介な性質があります。食品取扱事業者にとって、ノロウィルス対策を講じることは、消費者の健康を守るだけでなく、企業の存続という観点から見ても重要であることがわかると思います。そのため、食品取扱事業者は、以下の「ノロウィルス対策」をしっかりと実施できているか、今一度振り返ってみましょう。

ノロウィルス対策>
・作業従事者の健康管理(家族の健康状態にも注意:異常がある場合は作業させない)
・確実な手洗い
・調理器具の消毒
・トイレの洗浄・消毒
・汚染の恐れのある食品は中心温度85℃以上90秒以上の加熱

いずれも食中毒予防の基本ではありますが、このような基本を忠実に守ることが消費者や企業を守ることになります。

食品経営支援協議会では、このような食中毒対策の基本から現場での指導まで幅広く対応していますので、何かお困りのことがありましたお気軽にお問い合わせください。
https://fmsc.or.jp/contact/

執 筆 者

山 口 幸 三
一般社団法人 食品経営支援協議会 理事
上級HACCPコーディネーター  / エキスパートファスティングマイスター

大学・大学院・製薬会社勤務時代の15年間、一貫して微生物の研究に従事。腸内細菌や食中毒原因菌など幅広い微生物に関する専門知識を有する。製薬会社を退職後は、健康管理や食品衛生に関する法人を設立。専門的な内容をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。

 

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